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Hいろすけ　ハマダ
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ないた　　あかおに
　　　　　　　　1。　　たてた　　たてふだ
　　　　どこの　　やまか、　　わかりません。　　　　その　　やまの　　がけの
ところに、　　いえが　　1けん　　たって　　いました。
　　　　きこりが、　　すんで　　いるのでしょーか。
　　　　いいえ、　　そーでわ　　ありません。
　　　　そんなら、　　くまが、　　そこに　　すまって
いるのでしょーか。
　　　　いいえ、　　そーでも　　ありません。
　　　　そこにわ、　　わかい　　あかおにが、　　たった　　ひとりで
すまって　　いました。　　　　その　　あかおにわ、　　えほんに　　えがいて
あるよーな　　おにとわ、　　かたち　　かおつきが、　　たいへんに
ちがって　　いました。　　　　けれども、　　やっぱり　　めわ
おおきくて、　　きょろきょろ　　して　　いて、　　あたまにわ、
どーやら　　つのの　　あとらしい　　とがった　　ものが　　ついて
いました。
　　　　それでわ、　　やっぱり、　　ゆだんの　　できない　　あやしい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2
やつだと、　　だれでも　　おもう　　ことでしょー。
　　　　ところが、　　そーでわ　　ありません。　　　　むしろ、　　やさしい
すなおな　　おにで　　ありました。　　　　わかものの
おにでしたから、　　うでにわ　　ちからが　　ありました。
けれども、　　なかまの　　おにどもを　　いじめた　　ことわ
ありません。　　　　おにの　　こどもが、　　いたずらを　　して、
めの　　まえに　　こいしを　　ぽんと　　なげつけよーとも、
あかおにわ、　　にっこり　　わらって　　みて　　いました。
　　　　ほんとーに、　　その　　あかおにわ、　　ほかの　　おにとわ、
ちがう　　きもちを　　もって　　いました。
　　　　ーわたしわ、　　おにに　　うまれて　　きたが、　　おにどもの
ために　　なるなら、　　できるだけ　　よい　　ことばかりを　　して
みたい。　　　　いや、　　そのうえに、　　できる　　ことなら、
にんげんたちとも　　つきあって、　　なか　　よく　　くらして
いきたいな。ー
　　　　あかおにわ、　　いつも　　そー　　おもって　　いました。　　　　そして、
それを　　じぶん　　ひとりの　　こころの　　なかに、　　そっと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　3
そのまま　　しまって　　おけなく　　なりました。
　　　　そこで、　　ある　　ひ、　　あかおにわ、　　じぶんの　　いえの
とぐちの　　まえに、　　きの　　たてふだを　　たてました。
　　　　
　　　　　　　　こころの　　やさしい　　おにの　　うちです。
　　　　　　　　どなたでも　　おいで　　ください。
　　　　　　　　おいしい　　おかしが　　ございます。
　　　　　　　　おちゃも　　わかして　　ございます。
　　　　
　　　　そー、　　たてふだに　　かかれました。　　　　やさしい　　かなの
もじを　　つかって、　　あかおにわ、　　ことば　　みじかく、
かきしるしたので　　ありました。
　　　　つぎの　　ひに、　　がけしたの　　いえの　　まえを
とおりがかって、　　ひとりの　　きこりが、　　たてふだに　　めを
とめました。
　　　　ーこんな　　ところに、　　たてふだが　　っっっー
　　　　みれば、　　だれにも　　よまれる　　かなで　　かかれて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　4
いました。　　　　きこりわ、　　さっそく　　よんで　　みて、　　たいそー
ふしぎに　　おもいました。　　　　わけわ、　　よく　　わかりましたが、
どーも　　がってんが　　いきません。
　　　　なんども　　くびを　　まげて　　みてから、　　きこりわ、
やまの　　ほそみちを　　いそいで　　おりて　　いきました。　　　　ふもとに
むらが　　ありました。　　　　なかまの　　きこりに　　あいました。
　　　　ーおかしな　　ものを　　みて　　きたよ。ー
　　　　ーなんだい。　　　　きつねの　　よめいりか。ー
　　　　ーちがう。　　　　ちがう。　　　　もっと　　もっと　　めずらしい
もの、　　ふるくさく　　ない、　　あたらしい　　もの。ー
　　　　ーへえ、　　なんだろー。ー
　　　　ーおにが、　　たてふだ　　たてたのさ。ー
　　　　ーなんだと。　　　　おにの　　たてふだと。ー
　　　　ーそーだよ。　　　　おにの　　たてふだなんて、　　いままで
きいた　　ことも　　ない。ー
　　　　ーなんと　　かいて　　あるんだい。ー
　　　　ーいって　　ごらんよ。　　　　みない　　ことにわ　　はなしに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　5
ならん。ー
　　　　さきの　　きこりと　　あとの　　きこりと　　いっしょに　　なって、
もー　　1ど　　やまの　　こみちを　　めぐり　　のぼって、
がけしたの　　いえの　　まえまで　　やって　　きました。
　　　　ーほら、　　ごらん。　　　　この　　とおりだよ。ー
　　　　ーなるほど、　　なるほど。ー
　　　　あとの　　きこりわ、　　めを　　ちかづけて　　よんで　　みました。
　　　　
　　　　　　　　こころの　　やさしい　　おにの　　うちです。
　　　　　　　　どなたでも　　おいで　　ください。
　　　　　　　　おいしい　　おかしが　　ございます。
　　　　　　　　おちゃも　　わかして　　ございます。
　　　　
　　　　　　　　2。　　きこりの　　びっくり
　　　　ーへえ、　　どーも　　ふしぎな　　ことだな。　　　　たしかに
これわ　　おにの　　じだが。ー
　　　　ーむろん、　　そーとも、　　ふでに　　ちからが　　はいって
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　6
いるよ。ー
　　　　ーまじめな　　きもちで　　かいたらしい。ー
　　　　ーそー　　なれば、　　この　　もんくにも　　うそ　　いつわりが
ない　　ことに　　なる。ー
　　　　ーはいって　　みよーか。ー
　　　　ーいや、　　まて。　　　　そっと　　のぞいて　　みよー。ー
　　　　いえの　　なかから　　おにわ　　だまって、　　ふたりの　　はなしを
きいて　　いました。　　　　ちょっと　　はいれば、　　ぞーさ　　なく
はいれる　　とぐちで　　ありました。　　　　それなのに、
はいろーとも　　せず、　　ひまどって　　いるのを　　みると、
はがゆくて、　　おにわ　　ひとりで　　いらいら　　しました。
ふたりわ、　　こっそり　　くびを　　のばして　　とぐちの　　なかを
のぞいたらしく　　おもわれました。
　　　　ーなんだか、　　ひっそり　　して　　いるよ。ー
　　　　ーきみが　　わるいな。ー
　　　　ーさてわ、　　だまして　　とって　　くう　　つもりじゃ
ないかな。ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　7
　　　　ーなるほどな。　　　　あぶない。　　　　あぶない。ー
　　　　ふたりの　　きこりわ、　　しりごみを　　はじめたらしく
みえました。
　　　　あかおにわ、　　みみを　　すまして　　いましたが、　　こー
いわれると、　　くやしく　　なって、　　むっと　　しながら
いいました。
　　　　ーとんでもないぞ。　　　　だれが　　だまして　　くう
ものか。　　　　ばかに　　するない。ー
　　　　しょーじきな　　おにわ、　　さっそく　　まどの　　そばから
ひょっこりと　　まっかな　　かおを　　つきだしました。
　　　　ーおい、　　きこりさん。ー
　　　　こえ　　たかく　　よびかけました。　　　　その　　よびごえわ、
にんげんたちにわ　　ぐっと　　おおきく　　きこえました。
　　　　ーわっ、　　たいへんだ。ー
　　　　ーでた。　　　　でた。　　　　おにが。ー
　　　　ーにげろ。　　　　にげろ。ー
　　　　ふたりの　　きこりわ、　　おにが　　ちっとも　　おいかけよーとわ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　8
しないのに、　　いっしょに　　なって　　にげだしました。
　　　　ーおーい、　　ちょっと　　まちなさい。　　　　だましわ　　しないよ。
とまりなさい。　　　　ほんとーなんだよ。　　　　おいしい　　おかし。
かおりの　　いい　　おちゃ。ー
　　　　あかおにわ、　　まどを　　はなれて　　そとに　　でて、
よびとめよーと　　しましたが、　　おじけが　　ついたか、
ふたりの　　きこりわ　　かけだして、　　ふりむく　　ことも
しませんでした。　　　　つまづいて　　よろめきながら　　とっとっと
やまを　　くだって　　いきました。
　　　　おにわ、　　たいそー　　がっかり　　しました。　　　　きが
つくと、　　おにわ　　はだしで　　とびだして、　　あつい
じべたに　　たって　　いるので　　ありました。
　　　　おにわ、　　じぶんの　　たてふだに　　うらめしそーに　　めを
むけました。　　　　いたきれを　　じぶんで　　けずって、
じぶんで　　きって、　　くぎづけを　　して、　　じぶんで
かいて　　にこにこ　　しながら　　じぶんで　　たてた
たてふだなので　　ありました。　　　　それでしたのに、　　なんの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　9
ききめも　　ありません。
　　　　ーこんな　　もの、　　たてて　　おいても、　　いみが　　ない。
まいにち、　　おかしを　　こしらえて、　　まいにち、　　おちゃを
わかして　　いても、　　だれも　　あそびに　　きわ　　しない。
ばかばかしいな。　　　　いまいましいな。ー
　　　　きもちの　　やさしい、　　まじめな　　おにでも、　　きみじか
もので　　ありました。
　　　　ーええ、　　こんな　　もの、　　こわして　　しまえ。ー
　　　　うでを　　のばして、　　たてふだを　　ひきぬいたかと　　おもう
まに、　　じべたに　　ばさりと　　なげすてて、　　ちから
まかせに　　ふみつけました。　　　　いたわ、　　ぱらっと　　われました。
おにわ、　　むしゃくしゃ　　して　　いました。　　　　まるで　　はしでも
おるよーに、　　たてふだの　　あしも　　ぽきんと　　へしおりました。
　　　　すると、　　その　　とき、　　ひょっこりと　　ひとりの
おきゃくが、　　とぐちの　　まえに　　やって　　きました。
　　　　おきゃくと　　いっても、　　にんげんの　　おきゃくさまでわ
ありません。　　　　なかまの　　おにで　　ありました。　　　　なかまの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1ろ
おにでも、　　あかい　　おにでわ　　ありません。　　　　あおいと
なると、　　つめの　　さき、　　あしの　　うらまで　　あおいと　　いう
あおおになので　　ありました。
　　　　その　　あおおにわ、　　その　　ひの　　あさに、　　とおい　　とおい
やまおくの　　いわの　　いえから　　ぬけだして、　　とちゅーの
やままで　　あまぐもに　　のって　　きたので　　ありました。
　　　　
　　　　　　　　3。　　あおい　　ひたいに　　あおい　　こぶ
　　　　ーどー　　したんだい。　　　　ばかに　　てあらい　　ことを
して。　　　　きみらしくも　　ないじゃ　　ないか。ー
　　　　あおおにわ、　　えんりょ　　しないで、　　ちかよりながら
いいました。
　　　　あかおにわ、　　ちょっと　　きまりが　　わるそーな
はずかしそーな　　かおを　　しました。　　　　けれども、　　すぐに
きげんを　　なおして、　　あおおにに、　　どーして　　じぶんが
そんなに　　はらを　　たてて　　いるのか、　　わけわ　　これ　　これ
しかじかと　　はなしを　　しました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1あ
　　　　ーそんな　　ことかい。　　　　たまに　　あそびに　　きて　　みると、
そんな　　くろーで、　　きみわ　　くよくよ　　して　　いるよ。　　　　そんな
ことなら、　　わけなく　　らちが　　あくんだよ。　　　　ねえ、　　きみ、
こー　　すりゃ　　かんたんさ。　　　　ぼくが、　　これから、　　ふもとの
むらに　　おりて　　いく。　　　　そこで、　　うんとこ　　あばれよー。ー
　　　　ーじょ、　　じょーだん　　いうな。ー
と、　　あかおにわ、　　すこし　　あわてて　　いいました。
　　　　ーまあ、　　きけよ。　　　　うんとこ　　あばれて　　いる
さいちゅーに、　　ひょっこり　　きみが　　やって　　くる。　　　　ぼくを
おさえて、　　ぼくの　　あたまを　　ぽかぽか　　なぐる。　　　　そー
すれば、　　にんげんたちわ、　　はじめて　　きみを　　ほめたてる。
ねえ、　　きっと　　そー　　なるだろー。　　　　そー　　なれば、　　しめた
ものだよ。　　　　あんしんを　　して　　あそびに　　やって
くるんだよ。ー
　　　　ーふーん、　　うまい　　やりかただ。　　　　しかし、　　それでわ、
きみに　　たいして　　すまないよ。ー
　　　　ーなあに、　　ちっとも。　　　　みずくさい　　ことを　　いうなよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1い
なにか　　ひとつの　　めぼしい　　ことを　　やりとげるにわ、　　きっと
どこかで　　いたい　　おもいか、　　そんを　　しなくちゃ
ならないさ。　　　　だれかが　　ぎせいに　　ーー　　みがわりに
なるので　　なくちゃ　　できないさ。ー
　　　　なんとなく、　　ものがなしげな　　めつきを　　みせて
あおおにわ、　　でも、　　あっさりと　　いいました。
　　　　ーねえ、　　そー　　しよー。ー
　　　　あかおにわ、　　かんがえこんで　　しまいました。
　　　　ーまた、　　しあんかい。　　　　だめだよ、　　それじゃ。
さあ、　　いこー。　　　　さっさと　　やろー。ー
　　　　あおおにわ、　　たとーと　　しない　　あかおにの　　てを
ひっぱって　　せきたてました。
　　　　おにと　　おにとわ　　つれだって、　　やまを　　くだって
いきました。　　　　ふもとに　　むらが　　ありました。　　　　むらの
はずれに、　　ちいさな　　いえが　　ありました。　　　　ひくい　　たけの
かきねが　　あって、　　その　　きわに、　　さるすべりの　　きが、
えだ　　えだに　　あかい　　はなを　　さかせて　　いました。　　　　ひに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1う
てらされて、　　はなわ　　ふくれて　　みえました。
　　　　ーいいかい。　　　　それじゃ、　　あとから　　まもなく
くるんだよ。ー
　　　　あおおにわ、　　ささやくよーに　　いうが　　はやいか
かけだして、　　ちいさな　　いえの　　とぐちの　　まえに　　やって
きました。　　　　そーして、　　きゅーに　　とを　　つよく
けりつけながら　　どなりました。
　　　　ーおにだ。　　　　おにだ。ー
　　　　いえの　　なかでわ、　　おじいさんと　　おばあさんとが、
おひるの　　ごはんを　　たべて　　いました。
　　　　あけっぱなしな　　とぐちの　　まえに、　　ひるひなか、　　おにの
すがたが　　ひょっこりと　　たったのを　　みて、　　きもを
つぶして　　とびたって、
　　　　ーおにだ。　　　　おにだ。ー
と、　　さけびつづけて、　　ふたりわ　　いっしょに　　うらの
くちから　　にげだしました。
　　　　にげて　　いく　　おじいさん　　おばあさんにわ、　　ちっとも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1る
よーが　　ありません。
　　　　あおおにわ　　なかに　　はいると、　　さっそくに、　　さら、　　はち、
ちゃわん、　　ちゃがまなど、　　てあたり　　しだいに　　てに
とって　　なげつけました。　　　　ごはんの　　おひつも
なげつけました。　　　　ごはんつぶが　　そこらに　　とんで、
しょーじの　　さんや、　　はしらの　　かどに　　くっつきました。
みそしるの　　なべわ　　ころげて、　　しるわ　　ろぶちを
たらたらと　　したたりました。　　　　がらがら　　がちゃん、
がちゃりん　　ちゃりん、　　どたん　　ばたんと、　　あおおにわ、
とんだり　　はねたり　　さかだち　　したり　　して　　いました。
　　　　ーまだ　　こないかな。ー
　　　　そー　　そっと　　おもう　　ところに、　　あいての　　わかい
あかおにが、　　いきを　　きらして　　かけて　　きました。
　　　　ーどこだ。　　　　どこだ。　　　　らんぼーものめ。ー
　　　　あかおにわ、　　こぶしを　　にぎって、　　おおきな　　こえで
そー　　いって、　　あおおにが　　いるのを　　みると　　かけよって、
　　　　ーやっ、　　このやろー。ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1ら
と、　　どなると　　いっしょに　　つかみかかって、　　くびの
ところを　　ぐいぐいと　　しめつけました。　　　　こつんと　　ひとつ
かたい　　あたまを　　うちすえました。　　　　あおおにわ、　　くびを
ちぢめて、　　ちいさな　　こえで　　いいました。
　　　　ーぽかぽか　　つづけて　　なぐるのさ。ー
　　　　あかおにわ、　　そこで　　ぽかぽか　　うちました。
　　　　どー　　なる　　ことかと、　　ものの　　かげから　　おっかな
びっくり、　　のぞきみを　　して、　　はらはら　　して　　いる
むらびとたちにわ、　　たしかに　　つよく　　あかおにが、
らんぼーおにを　　なぐったよーに　　みえました。
　　　　それでしたのに、　　あおおにわ、　　ちいさな　　こえで
いいました。
　　　　ーだめだい。　　　　しっかり　　ぶつんだよ。ー
　　　　ーもー　　いい。　　　　はやく　　にげたまえ。ー
　　　　そー、　　あかおにわ　　ちいさな　　こえで　　いいました。
　　　　ーそんなら、　　そろそろ　　にげよーか。ー
　　　　あかおにの　　またを　　くぐって、　　あおおにわ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1え
にげだしました。　　　　あわてたよーな　　ふりを　　して、
とぐちを　　でよーと　　する　　ときに、　　あおおにわ、　　わざと
ひたいを　　はしらの　　かどに　　うちあてる　　まねを　　しました。
ところが　　つよく　　うちすぎて、　　おもわず　　こえを
たてました。
　　　　ーいたたっ、　　たっ。ー
　　　　あかおにわ、　　びっくり　　しました。
　　　　ーあおくん、　　まて　　まて。　　　　みて　　あげる。　　　　いたくわ
ないか。ー
　　　　あかおにわ、　　しんぱい　　しながら　　おいかけました。
あおおにわ、　　おもいがけなく　　あおい　　ひたいに　　あおい
おおきな　　こぶを　　つくって、　　こぶを　　なで　　なで
にげました。
　　　　
　　　　　　　　4。　　とぐちの　　はりがみ
　　　　むらびとたちわ、　　うしろから、　　あっけに　　とられて、
おにども　　ふたりが　　はしって　　いくのを　　みて　　いました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1れ
　　　　おにどもの　　すがたが、　　むこーに　　きえて　　しまうと、
ひとたちわ、　　はじめて　　てんでに　　はなしを　　かわして
いいました。
　　　　ーこれわ、　　どーした　　ことだろー。ー
　　　　ーおにわ、　　みんな　　らんぼーものだと　　おもって
いたのに。ー
　　　　ーあの　　あかおにわ、　　まるきり　　ちがう。ー
　　　　ーまったく。　　　　まったく。　　　　して　　みると、　　あの
おにだけわ、　　やっぱり　　やさしい　　おになんだ。ー
　　　　ーなあんだい。　　　　そんなら　　はやく　　おちゃ　　のみに
でかけて　　いけば　　よかったよ。ー
　　　　ーそーだ。　　　　いこーよ。　　　　これからだって　　おそくわ
ないよ。ー
　　　　ーいこーよ。　　　　いこーよ。ー
　　　　そんな　　ふーに　　ひとたちわ、　　たがいに　　かたりあいました。
　　　　むらびとたちわ、　　あんしん　　しました。　　　　その　　ひの
うちに、　　やまに　　でかけて　　いきました。　　　　あかおにの　　いえの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1り
とぐちに　　たちながら　　とを　　とんとんと　　かるく　　たたいて
いいました。
　　　　ーあかさん、　　あかさん、　　こんにちわ。ー
　　　　にんげんの　　ことばを　　きくと、　　あかおにわ、
いっそくとびに　　とんで　　でて、　　にこにこがおで
でむかえました。
　　　　ーよーこそ、　　よーこそ、　　さあ、　　どーぞ。ー
　　　　おにわ　　いそいで　　おーせつの　　まに　　あんない　　しました。
きの　　かべ、　　きの　　ゆか、　　てんじょーも　　きの　　かわばりで
できて　　いる、　　しっそな　　へやで　　ありました。　　　　まるい
しょくたく、　　あしの　　みじかい　　ひくい　　いす、　　みんな　　きで
できて　　いました。　　　　そーして、　　それらわ　　どれも　　みな、
その　　あかおにが　　つくった　　もので　　ありました。
かべにわ、　　ちゃんと　　あぶらえが　　かかって　　いました。
その　　がくぶちわ、　　しらかばの　　きれいな　　かわで
できて　　いました。　　　　それも　　やっぱり　　あかおにが
つくった　　もので　　ありました。　　　　しかも、　　あぶらえ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1お
そのものが、　　その　　あかおにの　　くしんの　　さくで
ありました。　　　　その　　えと　　いうのわ、　　おにと　　ひとりの
にんげんの　　こが　　かかれて　　いました。　　　　にんげんの
かわいい　　こどもを、　　あかおにが　　くびの　　ところに
なたがらせ、　　しょーめんむきに　　なって　　いるので
ありました。　　　　たぶん、　　その　　えの　　あかおにわ、
じぶんの　　かおを　　えがいたのかも　　しれません。
6がつごろの　　みどりの　　にわを　　はいけいに　　して、
うれしそーな　　あかおにと、　　こどもの　　かおとが、　　いきいきと
えがきだされて　　みえました。
　　　　ひとたちわ、　　へやを　　ぐるっと　　ながめわたして、
てせいの　　いすに　　どっかと　　こしを　　かけました。　　　　かけると
なんとも　　ぐあいが　　よくて、　　だれの　　からだも
らくらくと　　なるだけでわ　　なく、　　こころもちまで
ゆったりと　　おちつく　　ことが　　できました。
　　　　どーして　　こんなに　　てぎわが　　よいので
ありましょー。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2ろ
　　　　おにに　　たずねて　　みましょーか。
　　　　いや、　　まて。　　　　ごらん。
　　　　あかおにわ、　　じぶんで　　おちゃを　　だして　　きました。
おかしも　　じぶんで　　はこんで　　きました。
　　　　なんと、　　おいしい　　おちゃでしょー。
　　　　なんと、　　おいしい　　おかしでしょー。
　　　　これまで　　ずっと、　　こんなに　　おいしい　　おちゃを　　のみ、
こんなに　　おいしい　　おかしを　　たべたと　　いう　　ものが、
ただの　　ひとりも　　いませんでした。
　　　　むらに　　かえって　　ひとたちわ、　　おにの　　おいしい
ごちそーを　　くちぐちに　　ほめたてました。　　　　おにの
すまいが、　　さっぱり　　して　　いて、　　いやみが　　なくて、
いごこちが、　　まったく　　よいと　　いう　　ことを、　　だれも
かれも　　ほめたてました。
　　　　ーそんなら、　　おれも　　でかけよー。ー
　　　　ーきみわ、　　きのー　　いったじゃ　　ないか。ー
　　　　ーまいにち、　　いっても　　いいんだよ。ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2あ
　　　　こんな　　ぐあいで、　　むらから　　やまえ、　　ひとたちわ
3にん　　5にんと　　つれだって、　　まいにち　　でかけて
いきました。
　　　　こー　　して、　　おににわ　　にんげんの　　ともだち　　なかまが
できました。　　　　まえとわ　　かわって　　あかおにわ、　　いまわ
すこしも　　さびしい　　ことわ　　ありません。　　　　けれども
ひかずが　　たつ　　うちに、　　こころがかりに　　なる　　ものが、
ひとつ　　ぽつんと　　とりのこされて　　いる　　ことに、　　あかおにわ
きが　　つきました。
　　　　それわ、　　ほかでも　　ありません。
　　　　あおおにの　　こと　　ーー　　したしい　　なかまの　　あおおにが、
あの　　ひ　　わかれて　　いってから、　　ただの　　1ども
たずねて　　こなく　　なりました。
　　　　ーどー　　したのだろー。　　　　どこか　　ぐあいが
わるいかな。　　　　わざと　　じぶんで　　はしらに　　ひたいを
ぶっつけたり　　して、　　つのでも　　いためて　　いるのかな。
ひとつ、　　みまいに　　でかけよー。ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2い
　　　　あかおにわ、　　したくを　　しました。
　　　　
　　　　　　　　きょーわ　　　　1にち　　るすに　　なります。
　　　　　　　　あしたわ　　います。
　　　　　　　　　　　　むらの　　みなさま
　　　　　　　　　　　　　　　　あかおに
　　　　
　　　　はんしに　　かいて、　　とぐちの　　ところに　　はりだして、
おにわ　　よあけに　　いえを　　でました。　　　　やまを　　いくつか、
たにを　　いくつか　　こえて　　わたって　　あかおにわ　　あおおにの　　いる
いわやまの　　いえに　　きました。
　　　　なつも　　くれて　　いくと　　いうのに、　　おくやまの　　にわの
やぶにわ、　　まだ　　やまゆりが、　　まっしろな　　はなを
さかせて、　　ぷんぷんと　　におって　　いました。　　　　まつの　　きの
ふとい　　えだから　　ぱらぱらと　　つゆが　　こぼれて、
ささの　　はを　　ぬらして　　いました。
　　　　まだ、　　ひわ　　さして　　いませんでした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2う
　　　　たかい　　いわの　　だんだんを　　いそいで　　のぼって
あかおにわ、　　とぐちの　　まえに　　たちました。　　　　とが　　かたく
しまって　　いました。
　　　　ーまだ　　ねて　　いるかな。　　　　それとも　　るすかな。ー
　　　　ふと　　きが　　つくと、　　との　　きわに　　はりがみが　　して
ありました。　　　　そして　　それに　　なにか　　じが　　かかれて
いました。
　　　　
　　　　　　　　あかおにくん。　　　　にんげんたちとわ　　どこまでも
　　　　なかよく　　まじめに　　つきあって　　たのしく　　くらして　　いって
　　　　ください。　　　　ぼくわ、　　しばらく　　きみにわ　　おめに
　　　　かかりません。　　　　このまま　　きみと　　つきあいを　　つづけて
　　　　いけば、　　にんげんわ、　　きみを　　うたがう　　ことが
　　　　ないとも　　かぎりません。　　　　うすきみわるく
　　　　おもわないでも　　ありません。　　　　それでわ　　まことに
　　　　つまらない。　　　　そー　　かんがえて、　　ぼくわ　　これから
　　　　たびに　　でる　　ことに　　しました。　　　　ながい　　ながい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2る
　　　　たびに　　なるかも　　しれません。　　　　けれども、　　ぼくわ
　　　　いつでも　　きみを　　わすれまい。　　　　いつか　　どこかで
　　　　また　　あえるかも　　しれません。　　　　さよーなら　　きみ。
　　　　からだを　　だいじに　　して　　ください。
　　　　　　　　　　　　どこまでも　　きみの　　ともだち　　　　あおおに
　　　　
　　　　あかおにわ、　　だまって　　それを　　よみました。　　　　2ども
3ども　　よみました。　　　　とに　　てを　　かけて、　　かおを
おしつけ、　　しくしくと　　なみだを　　ながして　　なきました。
